Quantcast
Channel: KLM | Voyage Avancé
Viewing all articles
Browse latest Browse all 41

Flying Blueが更に収益を生み出すよう子会社化されます

$
0
0

エールフランス航空(AF) – KLMオランダ航空(KL)は、Flying Blueの運営を担当する新しい子会社に15億ユーロを注入するため、アポロ・グローバル・マネジメント・ファンドと協力しています。
 
AF/KLはFlying Blueの運営を、「Flying Blueのマイレージプログラムのブランドとパートナーとの契約の大半を所有する」新しい事業体に移管し、航空会社やパートナーに対するマイレージの唯一の発行者となります。
 
この事業体は15億ユーロの社債を発行し、投資ファンドのアポロ・グローバル・マネジメントがこれを引き受け、グループの自己資本を強化することになります。
 
AF/KLは最近、うまくいっているように見えますが、なぜこのようなことをするのでしょうか。
 
少し深掘りしてみました。
 
日本人初のBoardingAreaオフィシャルブロガー PAR@Seasoned Travellerです。

背景

AF/KLは、2020年から2021年に受けた援助を返済するために資本増強を余儀なくされました。
 
そのためにITAエアウェイズ(AZ)の買収が間に合わず、援助を返済することができませんでした。
 
そのためAF/KLは、ライバルと対等な条件で競争し続けられるように自己資本の強化を続けながら、収益性の面で戦い続けなければなりません。

AF/KLがFlying Blueによりバランスシートを強化する仕組み

この事業体は、プログラムに加盟する航空会社(AF, KL, トランサヴィア航空(HV), エアカラン(SB), タロム航空(RO))のマイレージの唯一の発行者となります。
 
ユーザーが航空会社、航空会社以外、または金融(銀行カード)パートナーからがマイレージを獲得すると、これらの会社は事業体からマイレージを購入し、これが収入源となります。

AF/KLとアポロにとって何が得なのか

この債券の発行条件は、AF/KLと投資ファンドの間で行われた取引と同じで、債券の利子は3年間年6.9%で、その後段階的に引き上げられ、上限が設定されます。
 
AF/KLは、3年目以降はいつでも償還できるようになっています。
 
したがって、アポロにとって、この利息は3年間、あるいはAF/KLが返済しない場合はそれ以上の期間、投資に対するリターンが保証されていることになります。
 
AF/KLにとっては、増資を行うよりも簡単な方法で15億の自己資本を調達することになります。

なぜマイレージプログラムなのか

資金を調達したい場合、何か見返りを与えなければなりません。
 
会社の一部(株式)か、担保としての資産とか。
 
AFにとって株主に資金を再注入してもらうことは難しく、残されたのが社債制度でした。
 
しかし、貸し手は決してリスクを好まず、航空会社はその事業の性質上、様々な種類のリスクや危機に脆弱であるため、原則的にリスクが高いと考えられています。
 
さらに債権者は、融資を返済するために動員できる資産があることを知りたがります。
 
このセクターに危機が発生した場合、航空機の保有は不動産ポートフォリオよりも価値が低く、売却も容易ではありません。
 
一方、マイレージプログラムはリスクが少なく収益性の高い活動であるため、投資家はこの活動で投資をバックアップすることを好みます。
 
これが、AF/KLがFlying Bluleを投資家を呼び込む手段として利用した理由です。

有利なマイレージプログラムビジネス

マイレージプログラムは航空会社にとって財政的負担であると多くの人が考えています。
 
ですが、マイレージは無料で配布されているわけではありません。
 
先に述べたように、顧客がマイレージを受け取るとき、誰かがその代金を支払っています。
 
航空会社、クレジットカード発行会社、その他のパートナーは、顧客に提供するマイルを購入しています。
 
以前は、アメリカの航空会社はマイレージプログラムによってかなりの資金を調達することができました。
 
マイレージプログラムはリスクのないビジネスであるため、所属する航空会社よりもはるかに高く評価されるからです。
 
過去には、本業では赤字でも、マイレージプログラムのおかげで黒字に転換した航空会社もあります。
 
なぜリスクのないビジネスなのか?
 
飛行機が飛んでいないときやほとんど空席の時でも、マイレージプログラムは航空会社以外のパートナー、特にクレジットカード発行会社のおかげで収益を上げ続けているからです。
 
例えば、2020年や2021年、アメリカン・エキスプレスは、顧客が日常的な買い物にカードを使い続けたため、天文学的な額のマイレージを払い続けました。
 
それは、マイレージプログラムが親会社から切り離され、独自のバランスシートと活動を持つこと、そして発行会社と航空会社の共同ブランド・クレジットカードのビジネスが儲かることです。

まとめ

Flying Blueの子会社化は、将来的なチャンスでもあります。
 
マイレージプログラムという概念を超えて、あるいはマイレージプログラムを廃止して、現在IAGのAviosで見られるように、プログラムに関係なく、純粋にマイレージを発行するビジネスに自らを位置づけることです。
 
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とイベリア航空(IB)のプログラムは統合されておらず、同じAviosという通貨を使用しているだけです。
 
さらに、(新会社は)航空会社や提携航空会社のマイルを単独で発行するようになると言われていることから、AF/KLも同じようなことを考えているのでしょう。
 
そうすることで、Flying Blueが、提携クレジットカード事業がより有利な市場でより広く展開するようになれば、Flying Blueはグループにとって本当の現金製造機になるかもしれません。
 
日本において、三井住友以上に有利なFlying Blueのカードが発行されたら、早速申し込みたいと思います。
 
当面は、Flying Blueの見通しは明るそうですね。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 41

Latest Images

Trending Articles





Latest Images